総務省が公表した令和7年通信利用動向調査で、6歳以上のインターネット利用率は85.7%だった。男性が88.6%、女性が83.0%。年齢階層別では30歳代の98.6%が最も高く、13〜69歳の各階層が9割を上回った。一方で80歳以上は37.1%にとどまる。調査時点は令和7年8月末で、結果の公表は2026年5月29日である。
「利用率」が何を数えているか
この調査でいう利用率は、世帯の6歳以上の構成員に「過去1年間にインターネットを利用したか」を尋ね、利用したと答えた人の割合である。使った機器はパソコン・携帯電話・スマートフォン・タブレット端末・ゲーム機などあらゆるものを含み、その機器を自分が持っているかどうかは問わない。利用の目的も、私用・仕事・学校での利用をすべて含む。1日だけ触った人も1年間毎日使った人も、同じ「利用した人」として1に数える仕組みだ。
通信利用動向調査は統計法に基づく一般統計調査で、総務省が平成2年から毎年実施している。世帯調査の対象は令和7年4月1日現在で20歳以上の世帯主がいる世帯と、その6歳以上の構成員。4万592世帯に調査票を郵送し、1万7916世帯・4万3281人から回答を得た。回収率は45.5%である。
高齢層は4年で伸び、小学生の年代は下がった
年齢階層別の利用率を令和3年と令和7年で比べると、高い年齢ほど伸びが大きい。80歳以上は27.6%から37.1%へ、70〜79歳は59.4%から71.9%へ、60〜69歳は84.4%から91.2%へ上がった。60歳代は4年のうちに9割の水準に届いたことになる。
逆に下がったのが子どもの年代である。6〜12歳は令和3年の84.7%から令和5年に89.1%まで上がったあと、令和6年83.7%、令和7年80.1%と2年続けて下がった。13〜19歳も98.7%から96.8%へ、20〜29歳も98.4%から97.2%へと小幅に下がっている。全体の85.7%がここ数年ほぼ横ばい(令和5年86.2%、令和6年85.6%)で推移しているのは、高齢層の伸びと若年層の低下が打ち消し合った結果である。
総務省は同じ調査で、インターネット利用者の7割以上が利用時に何らかの不安を感じており、とくに6〜12歳で不安を感じる人が前年から大きく増えたことも公表している。利用者が最も多く挙げた利用目的は「SNS(無料通話機能を含む)の利用」の82.3%だった。
世帯の保有機器で、スマートフォンがテレビを上回った
世帯が持っている情報通信機器の割合は、スマートフォンが91.8%。テレビは90.1%で、令和2年から減少が続いてスマートフォンを下回った。テレビを持つ世帯のうち、地上デジタル放送などの電波を受信する装置を内蔵しない「チューナーなしテレビ」だけを持つ世帯は10.4%ある。放送を受信せず、配信サービスを見るための画面として置かれている世帯が10軒に1軒あるということだ。
個人が実際に使った機器では、インターネット利用者のうちスマートフォンが86.7%で、パソコンの53.2%を大きく上回る。携帯電話とスマートフォンのどちらかを使った人は91.5%。持っているかどうかで見ると、モバイル端末の保有者は85.9%、うちスマートフォンの保有者は78.9%で、6〜12歳では約5割、80歳以上では約2割がモバイル端末を持っていない。通信の世代交代も進んでおり、3G携帯の契約数がゼロに 2026年6月末 ドコモのFOMA終了で24年半の歴史に幕 5Gは1億3153万契約となった。使う量そのものも増え続けていて、固定回線のインターネット通信量、前年同月比15.5%増 2026年5月は48.0テラビット毎秒 1契約1日当たり10.4ギガバイトに達している。
都道府県では神奈川91.0%、鹿児島76.2%
地域差も残る。都道府県別の利用率は神奈川県が91.0%で最も高く、東京都90.8%、大阪府88.7%、埼玉県88.6%、滋賀県87.8%と続く。最も低いのは鹿児島県の76.2%で、秋田県77.3%、長崎県77.4%、高知県77.8%が続く。8割を下回った県はこのほかにも大分県77.9%、宮崎県78.2%、岩手県78.9%、青森県79.5%、鳥取県79.8%、福島県79.9%があり、10県に上る。地方別では南関東・東海・近畿が全国を上回っている。
世帯の属性で見ると差はさらに大きい。インターネットを使ったことのある世帯の割合は、世帯主が30歳代なら99.3%だが、75歳以上では67.9%。世帯年収では400万円以上2000万円未満の各区分が95%以上あるのに対し、200万円未満では68.4%にとどまる。世帯人員では4人以上の各区分が95%以上で、単身世帯は81.7%だった。年齢と収入と世帯規模が重なる層で、利用率が3割前後低い。
行政手続きをインターネットで完結させる仕組みは、この層をどう扱うかを避けて通れない。実際に、公金受取口座の登録率、64.3%から61.1%へ 登録は1年で34万件しか増えず、マイナンバーカードは571万枚増 口座のないカードは4066万枚という形で、制度側の普及も足踏みしている。
