総務省は8月31日、2026年5月の国内のインターネット通信量(トラヒック)の集計結果を公表した。家庭向けの固定ブロードバンド回線の契約者が受け取る通信量(ダウンロード)は推計で1秒当たり48.0テラビットとなり、前年同月比15.5%増えた。1契約あたりに直すと1日約10.4ギガバイトで、同14.7%増だった。

1日に流れる量は494ペタバイト

ダウンロードの48.0テラビット毎秒は、1日分に積み上げると約494.1ペタバイトにあたる。1ペタバイトは100万ギガバイトで、家庭向け回線だけで1日に5億ギガバイト近くが流れている。

利用者が送り出す側のアップロードは5.2テラビット毎秒(1日約53.8ペタバイト)で、前年同月比15.1%増。1契約あたりでは1日約1.1ギガバイトで、14.4%増だった。受け取る量は送り出す量のおよそ9倍で、動画やウェブページを「見る」通信が大半を占める構図は変わっていない。

この集計は総務省が5月と11月の年2回行っている。国内のISP9社(インターネットイニシアティブ、NTTドコモビジネス、NTTドコモ、オプテージ、KDDI、JCOM、ソフトバンク、ニフティ、ビッグローブ)と5つのインターネットエクスチェンジ(IX、事業者同士が通信をやり取りする接続点)、大学などの研究者の協力を得て実測値を集め、9社の契約数シェア(2026年5月で55.3%)から全国の総量を試算する。対象は個人向けのFTTH(光回線)、DSL、CATV、FWAの4種類である。

5年で2.0倍 伸びているのは回線数ではない

5年前の2021年5月のダウンロードは23.9テラビット毎秒だった。2026年5月の48.0テラビット毎秒はその約2.0倍で、集計が現在の9社体制に揃った2017年5月の8.0テラビット毎秒と比べると、9年で約6倍になっている。

一方、固定ブロードバンドの契約数は2021年5月の推計4294万件から2026年5月の推計4739万件へ、5年で10.4%増えたにとどまる。同じ5年間で1契約あたりのダウンロードは1秒当たり556.6キロビットから1012.3キロビットへと1.8倍になった。つまり通信量全体の増加は、回線が増えたからではなく、1本の回線を流れる量が増えたことで起きている。総務省の公表資料は、増加の要因を特定していない。

法人側は25%増 家庭向けを上回る

協力ISP9社が実際に測った範囲でも、家庭向け回線の契約者の通信量はダウンロードが14.2%増、アップロードが13.9%増だった。これを上回ったのが、専用線やデータセンターなど法人側の契約者の通信量で、ISP側への流入が25.7%増の7.5テラビット毎秒、流出が24.7%増の7.0テラビット毎秒。家庭向けのおよそ1.8倍の速さで増えている。

国内の主要IXで交換された通信量は14.2テラビット毎秒で9.3%増にとどまった。これに対し、主要IXを介さずISP同士が直接つないでやり取りした通信量は、協力9社への流入が24.1テラビット毎秒、流出が3.6テラビット毎秒で、ともに22.5%増。共用の接続点を通す経路より、大口同士が直接つなぐ経路のほうが速く太っている。データセンターをどこに置き、どう結ぶかは政策課題にもなっており、総務省はAIの計算を電気の余る地方へ 総務省の分散データセンター実証7件が始動 三鷹・札幌・広島を光で結ぶ検証もとして、地方分散の実証を始めている。

混み合うのは平日の午後7時から9時

1週間のうち通信量が最も多くなる時間帯は、ダウンロードが午後7時から9時、アップロードが日曜を除く午後9時から11時だった。ピーク時のダウンロードは前年同月比で平日が11.9%増、休日が12.4%増で、いずれも1日平均の伸びよりは緩やかだった。

ピークが膨らめば、それに合わせて設備を用意しなければならない。固定回線は家庭の通信基盤であり、止まれば影響は広い範囲に及ぶ。9月23日にはJ:COMで全国的なネット障害 会社は「システム障害」と発表し復旧作業中 高速インターネットの加入は456万世帯が起きている。

なお総務省は、2026年5月は協力ISPの一部でデータが欠けたため、同じ月の同じ曜日・同じ時間帯の平均値で補ったうえで集計したと注記している。