全国町村議会議長会は、全国926町村議会を対象にした第71回町村議会実態調査の結果を令和8年2月に公表した。令和7年7月1日現在、議員定数1万687人に対して現議員数は1万465人で、欠員は222人だった。前年の第70回調査では定数1万743人に対し現議員数1万559人で、欠員は184人だった。1年で38人増えている。

欠員が定数の6分の1を超えると補欠選挙になる

調査対象は743町議会と183村議会の計926で、同会は昭和30年から毎年、すべての町村議会と47都道府県町村議会議長会の協力を得て集計を続けている。1町村あたりの平均定数は11.5人で、前年の11.6人から下がった。現議員の内訳は男性8932人(85.4%)、女性1533人(14.6%)で、女性は前年の1478人(14.0%)から増えた。

欠員は、単に議席が空いているという以上の意味を持つ。公職選挙法第113条第1項第6号は、市町村議会の議員の欠員数が「当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは、議員の定数)の六分の一を超えるに至つたとき」、選挙管理委員会が選挙の期日を告示し、補欠選挙を行わせなければならないと定めている。定数12人の町村議会なら6分の1は2人で、これを超える3人が欠けた時点で補欠選挙となる。定数11人なら2人の欠員で要件に達する。平均定数が11.5人という町村議会の規模では、2人か3人が抜けるだけで補欠選挙の水準に届く。

無投票は4年間で254町村、12年間で1.3倍に

議席が埋まらない背景にあるのが立候補者の不足である。同会の「町村議会議員のなり手不足対策検討会」が令和6年3月にまとめた報告によると、町村議会議員の一般選挙が無投票となった町村数は、平成23年5月から平成27年4月までの4年間で191(934町村の20.4%)、平成27年5月から平成31年4月までの4年間で204(932町村の21.9%)、令和元年5月から令和5年4月までの4年間で254(926町村の27.4%)と増え続けている。うち立候補者が定数に届かない「定数割れ」は10、15、31と推移した。

検討会は、同じペースで増え続けると仮定した場合、令和5年5月から令和9年4月までの4年間には全体の3分の1を超える316町村(34.1%)が無投票になる可能性があると試算している。立候補者が「定数+1」でかろうじて無投票を回避した町村も、令和元年5月から令和5年4月までで299(32.3%)あり、無投票の254と合わせると553町村(59.7%)に達する。報告は「現時点で無投票となっていない議会であっても、事前調整が行われている場合があるとはいえ、その多くが潜在的にはなり手不足であり、無投票の危機は目の前に迫っている」と記した。立候補できる年齢の要件をめぐっては、被選挙権年齢の引き下げ法案、立憲民主党が参院に提出 衆院議員25歳→18歳、知事30歳→23歳 各党に隔たりで単独提出で伝えたとおり、地方議員を25歳以上から18歳以上に下げる改正案が国会に出ている。

平均年齢64.9歳、4割近くが70代

現議員の年齢構成は、70歳以上80歳未満が3933人(37.6%)で最も多く、60歳以上70歳未満が3386人(32.4%)、50歳以上60歳未満が1533人(14.6%)と続く。平均年齢は64.9歳で、前年調査の64.6歳から上がった。最年少は25歳、最年長は95歳で、前年の最年長94歳を上回る。

所属党派は「無所属」が9108人(87.0%)を占め、日本共産党628人(6.0%)、公明党407人(3.9%)の順となっている。職業別では「議員専業」が2623人(25.1%)、農業が2480人(23.7%)で、この2つで半数近くになる。在職年数は「4年未満」が2833人(27.1%)と最も多い一方、40年以上の長期在職者も75人おり、最長は58年である。

報酬は月22万2740円、町村長給料の3割

議員報酬の月額は全国平均で22万2740円で、前年の21万9761円から上がった。議長は30万1111円(前年29万7785円)、副議長は24万4934円(前年24万1871円)である。人口規模による差は大きく、人口5000人未満の町村では議員が19万1624円、人口2万人以上では27万3340円で、8万円余りの開きがある。

町村長の平均給料額は74万1219円で、議員報酬はその30.1%にとどまる。議会の運営費全体を見ると、令和7年度当初予算での1町村あたりの議会費は平均8053万円で、一般会計歳出総額85億1207万5000円に占める割合は0.9%だった。検討会は無投票や定数割れを経験した議会について、「早急に特別委員会等の検証の場を設け、原因と打開策をしっかり議論するべきである」と求め、議会としての決意を決議などで住民に示すことも挙げている。試算が対象とする4年間の区切りは令和9年4月である。