総務省は9月30日、電話のユニバーサルサービス制度に基づく交付金と負担金の額について、情報通信行政・郵政行政審議会(会長・相田仁東京大学特命教授)に諮問し、10月1日から10月30日まで意見を募集すると発表した。NTT東日本・西日本に交付する補填の対象額は63.4億円で、前年の申請時の65.1億円から下がった。通信会社が電話番号1件につき毎月納める「番号単価」は、2027年1〜6月分が2円に据え置かれる。

補填の半分以上は公衆電話

申請したのは、制度の実務を担う基礎的電気通信役務支援機関の一般社団法人電気通信事業者協会(TCA、会長・宮川潤一氏)で、申請日は9月18日。電気通信事業法109条1項に基づく交付金と、110条2項に基づく負担金の二つについて、額と方法の認可を求めている。

補填の対象額63.4億円の内訳は、加入電話の加入者回線が26.1億円(携帯の電波を使うワイヤレス固定電話を含む)、第一種公衆電話が33.9億円、災害時用公衆電話が3.3億円。公衆電話に関する分が全体の半分を超えている。会社別ではNTT東日本が38.1億円、NTT西日本が25.2億円だった。

NTT西日本については、2024年の能登半島地震による災害特別損失を2024年度決算に計上しており、このうち基礎的電気通信役務にかかる費用を算入した原価で額を算定している。このため、規則で定められた通常の算定方法とは異なる方法を認めてもらう許可申請も、今回の認可申請と併せて行われた。

「番号単価」はどう決まるのか

負担金は、通信会社が最終利用者に付与している電話番号の数に比例してかかる。その1番号あたり月額を示すのが番号単価だ。補填対象額63.4億円に支援機関の業務費0.4億円を加え、前年度の過不足額(マイナス3.9億円)を差し引いた額を、2027年の予測番号総数29.4億件で割って求める。計算結果は2.297…円で、整数未満を四捨五入して2円となる。

この2円をNTT東西の補填対象額の比で割り振ると、NTT東日本に対応する分が1.20338749円、NTT西日本に対応する分が0.79661251円になる。適用されるのは2027年1〜6月の各月末時点の番号で、7月以降の単価は番号総数の増減の見込みを踏まえ、2027年4月に見直すかどうかを判断する。

負担するのは、前年度の電気通信事業収益が10億円を超え、かつ加入電話との相互接続通話を提供する通信会社で、2026年8月末時点で20社ある。納付期限は番号を使った月の3か月後の25日までで、遅れると1日につき1万分の4の延滞金がかかる。負担金の総額が一定の割合(3%)を超える場合には、超えた分を差し引く上限の仕組みも置かれている。

20年で7円から2円へ

制度は2004年度に作られ、2006年度から動いている。競争事業者の参入で都市部を中心に競争が進み、NTT東西の自助努力だけでは不採算地域の電話を維持することが難しくなったため、高コスト地域での提供費用の一部をほかの通信会社も分担する仕組みとして始まった。

総務省がまとめた推移によると、稼働初年度の2006年度は番号単価が7円、補填対象額は151.78億円だった。単価は2008年度と2009年度の8円が最も高く、補填対象額も2009年度の188.14億円が最大となっている。その後は加入電話の減少などを背景に下がり続け、2014年度以降はおおむね2円で推移してきた。直近の2025年度は2円・65.12億円で、今回の申請はそこからさらに減ったことになる。

この負担金が利用者の料金に上乗せされているのかについて、総務省は、負担金は通信会社の費用の一部であり最終的な原資は利用者からの料金収入だとしたうえで、「経営努力によって内部吸収するか、利用者に対して負担を求めるかは各社の経営判断により決定されている」と説明し、詳細は契約先の電話会社に問い合わせるよう求めている。

制度の対象そのものも見直しが進んでいる。携帯の電波を使う「固定電話」、ユニバーサルサービスへ格上げ 総務省審議会が答申案 メタル回線1043万件の受け皿にで伝えたとおり、総務省の審議会は9月、携帯の電波を使って固定電話番号で通話する方式をユニバーサルサービスに位置づけるべきだとする答申案をまとめた。通信会社どうしがやり取りする費用の仕組みも、通話の「接続料」廃止へ 通信会社が互いに払い合う仕組み、2031年度をめどに全社一律で終了 情報通信審議会が答申のとおり変わろうとしており、固定電話を支える金の流れは全体として組み替えの途中にある。

意見は e-Gov の意見提出フォームのほか、電子メールや郵送でも受け付ける。提出は日本語で行う必要がある。