人事院は9月18日、2026年度の国家公務員採用総合職試験の申込状況を公表した。春と秋を合わせた申込者は1万8281人で、前年度の1万7942人から1.9%増えた。人事院は発表資料の副題に「総合職試験全体の申込者数は1.9%増加」と掲げている。

増えたのは「教養区分」だけ 専門試験のある区分は2662人減

資料1によると、2026年度の内訳は、大卒程度試験の教養区分が8928人、教養区分以外が8078人、大学院修了者を対象とする院卒者試験が1275人だった。前年度はそれぞれ5914人、1万740人、1288人である。

教養区分は3014人増えて前年度の1.51倍になった。一方で、専門試験を課す教養区分以外は1万740人から8078人へ2662人減り、前年度の75.2%にとどまった。院卒者試験も1288人から1275人へ13人減っている。全体が1.9%のプラスになったのは、教養区分の伸びが他の2つの減少を上回ったためだ。

秋に実施する教養区分そのものは5795人で、前年度の5914人から119人減った。全体を押し上げたのは、今年度から春にも教養区分を実施し、3133人の申し込みがあったことである。

総合職の申込者の48.8%が教養区分 2012年は4.5%だった

総合職試験の申込者に占める教養区分の割合は48.8%で、前年度の33.0%から上がり、半数に迫った。資料2に載る推移の起点である2012年は、教養区分の申込者が1134人で、総合職全体に占める割合は4.5%にすぎなかった。2024年は4734人・25.8%、2025年は5914人・33.0%と、この3年で急速に比重が移っている。

総合職全体の申込者は2012年の2万5110人が最も多く、2026年の1万8281人はそこから6829人少ない。国家公務員の人件費や定員の全体像は、国と地方の公務員人件費、2026年度は29.7兆円 国家公務員は58.7万人で5兆6691億円 行政機関の定員30万8197人は17年ぶりの多さで扱っている。

教養区分とは 専門試験を課さず、大学2年から受けられる

教養区分は、専攻分野にとらわれない広い見識を持つ学生や外国の大学の卒業生など、多様な人材を確保する狙いで設けられた区分だ。法律・経済・工学といった専門試験を課さず、企画立案に関する基礎的な能力の検証を重視する。19歳(主に大学2年生)から受験でき、今年度から春秋の年2回実施になったことで、大学4年生までに春秋あわせて最大6回受けられるようになった。

秋の第1次試験は10月4日で、基礎能力試験(多肢選択式)と総合論文試験を課す。第1次試験の合格発表は10月21日午前9時。第2次試験は11月24日から27日までのうち指定された連続2日間で、企画提案試験、政策課題討議試験、人物試験を行う。最終合格者の発表は12月17日午前9時となっている。受験申込みは7月31日から8月24日までの25日間で、昨年度と同じ日数だった。

女性は教養区分で3862人・43.3% 人数・割合とも過去最高

2026年度の教養区分の女性申込者は3862人で、同区分の申込者に占める割合は43.3%となり、人数・割合ともに過去最高になった。前年度は2527人・42.7%である。秋実施分だけでは2560人・44.2%で、前年度の秋の2527人・42.7%を上回った。

総合職試験全体では女性が8079人・44.2%で、前年度の7856人・43.8%から増えている。区分別の女性割合が最も高いのは、申込者が減った教養区分以外で、8078人のうち3797人の47.0%を占める。院卒者試験は1275人のうち420人の32.9%だった。

中途採用の「経験者採用試験」は2640人 実施をやめた2試験を除けば2割増

人事院は同じ18日、民間企業などでの実務経験を持つ人を係長級の官職に採用する経験者採用試験(5種類7試験)の申込状況も公表した。申込者は2640人で、前年度の2360人から280人(11.9%)増えた。

ただし前年度の2360人には、2026年度は実施しない外務省経験者採用試験(書記官級)の147人と、農林水産省経験者採用試験(係長級(技術))の33人が含まれている。この180人を除いた2180人と比べると、2640人は460人多く、2割を超える伸びになる。

試験別では、複数の府省がまとめて実施する経験者採用試験(係長級(事務))が1711人で、前年度の1121人から590人増えた。このうち政策の企画立案などを担う府省合同A区分は204人から284人へ、政策・事業の実施などを担う府省合同B区分は917人から1427人へ増えている。国税庁経験者採用試験(国税調査官級)は951人から802人へ149人減った。総務省・国土交通省・気象庁が実施する技術系の3種類4試験は合計127人で、前年度の108人から19人増えた。

女性の申込者は709人で、前年度の574人から135人増え、全体に占める割合は24.3%から26.9%に上がった。経験者採用試験の第1次試験も10月4日に行われる。最終合格者の発表は府省合同A区分が11月20日、府省合同B区分が12月4日、総務省・国税庁・国土交通省・気象庁の各試験が12月23日で、いずれも午前9時である。