内閣府男女共同参画局が2026年7月に作成した「都道府県別全国女性の参画マップ」によると、全国の自治会長23万9459人のうち女性は1万8629人で、7.8%だった。2025年7月1日時点の数字である。政府は自治会長に占める女性の割合を10%にする成果目標を3つの男女共同参画基本計画に掲げ続けているが、達成の期限は当初の2020年から2025年度、さらに2030年度へと2度動いた。
大阪19.8%、群馬1.3% 都道府県で15倍の開き
都道府県別で最も高いのは大阪府で、自治会長7291人のうち1445人が女性の19.8%。沖縄県が1022人中153人の15.0%、東京都が8125人中1206人の14.8%、愛知県が1万1931人中1650人の13.8%と続く。10%を超えたのは12都府県だった。
最も低いのは群馬県で、2420人の自治会長のうち女性は31人にとどまり1.3%。山形県が4678人中97人の2.1%、静岡県が4769人中117人の2.5%、長野県が4029人中102人の2.5%と続く。大阪府と群馬県の間には約15倍の開きがある。3%未満は5県、3%以上5%未満は11県で、47都道府県のうち16県が5%に届いていない。
「10%」は3つの計画に載り、期限が2度動いた
自治会長の女性割合は、政府が男女共同参画基本計画で数値目標を定めている項目の一つである。2015年12月25日に閣議決定された第4次計画は、平成32年(2020年)までに10%とする成果目標を掲げた。当時の実績は平成28年の5.2%だった。
2020年12月25日に閣議決定された第5次計画は、同じ10%を2025年度の目標として引き継いだ。計画策定時の数値は2020年度の6.1%、その後の最新値は2022年度の6.8%だった。そして2026年3月13日に閣議決定された第6次計画も、2024年度の7.3%を現状として示したうえで、目標をふたたび10%、期限を2030年度としている。
実績は平成28年の5.2%から2025年7月の7.8%まで、約9年かけて上がってきた。7.8%から10%へ引き上げるには、この間と同じ伸び方では2030年度の期限に届かず、これまでより速いペースが求められる計算になる。なお第6次計画は、市町村の男女共同参画計画の策定率についても、2024年時点の市区99.0%・町村81.6%を、2030年に市区100%・町村95%へ引き上げる目標を置いている。同じマップによれば、2025年4月1日時点で計画を策定済みの市区町村は1741のうち1565で、策定率は89.9%だった。
行政が任命する場は3割超、住民が選ぶ場は1割未満
同じマップは、行政の意思決定の場における女性の割合も都道府県別に集計している。都道府県の審議会等委員に占める女性は全国平均で35.4%、都道府県防災会議の委員は3011人中785人の26.1%、都道府県の地方公務員管理職(課長相当職と部局長・次長相当職)は3万7711人中5740人の15.2%だった。いずれも自治会長の7.8%を上回る。
この差が生まれる理由の一つは、選び方の違いにある。審議会委員や防災会議の委員は自治体の長が任命するため、行政が数値目標を直接反映させやすい。これに対し自治会は住民の任意団体で、会長は住民が選ぶ。国や自治体が目標を掲げても、直接は動かせない領域である。女性の参画をめぐる日本全体の立ち位置については、ジェンダー・ギャップ指数、日本は145か国中117位 立憲・辻元氏が「もう仕方がないで済ませられない」 女性閣僚2人の第2次高市改造内閣を名指しで伝えた。
選出は指名・推薦と互選が約7割、くじ引きも16%
内閣府男女共同参画局が2017年3月にまとめた「持続可能な自治会活動に向けた男女共同参画の推進について」は、自治会長がどう選ばれているかを調べている。市区町村への調査では、「前会長など役員からの指名・推薦」と「役員内からの互選」が約7割、「班長などからの輪番」と「立候補者を募り総会等で選挙」が約6割、「くじ引き」が16%だった。前任者の意向や既存の役員の顔ぶれが次の会長を左右する仕組みが広く残っている。
同じ報告は、女性が会長になりにくい理由として、約3割の市区町村が「家族が女性会長になることへの抵抗」「家族の協力が得られないこと」「地域における女性の性別役割分担意識」を挙げたとしている。当時の女性会長の比率は5%程度で、半数の市区町村が自治会における男女共同参画は「進んでいない」と答えた。一方で自治会長に女性がなる利点として、約8割の市区町村が「運営に多様な視点が生まれる」を挙げている。
自治会は、ほぼすべての市区町村に存在し、加入率は約7割とされる。市区町村が自治会活動で重要と考える取り組みには「住民相互の連絡」に加えて「防災、防火」「交通安全、防犯」が並ぶ。災害時に誰がどこに住んでいるかを把握し、避難の呼びかけや避難所の運営を最初に担うのは、この単位である。南海トラフ地震、全員が10分で避難を始めれば津波の死者は約21万5000人から約7万3000人に 令和8年版防災白書 家具の固定は35.9%、感震ブレーカーは8.5%が示すとおり、避難がどれだけ早く始まるかで被害の規模は大きく変わる。報告が「住民の半数を占める女性がより積極的に自治会活動に参画する意義は大変大きい」と記したのは、この担い手の確保という文脈だった。
報告はまた、8割を超える市区町村が自治会の課題として「役員・運営の担い手不足」と「役員の高齢化」を挙げたことも記録している。10%という目標が3つの計画にまたがって残り続けている背景には、女性の参画という論点と、そもそも会長のなり手が足りないという論点が重なっている事情がある。
