国民民主党は9月21日、「日・ウクライナ首脳会談の実現に向けて」と題する声明を公表した。党の安全保障調査会長を務める山田吉彦参院議員の名前で出したもので、高市政権のもとで初めてとなる日本とウクライナの首脳会談の実現に向け、政府が前向きに対応することを求める内容だ。高市早苗首相は9月21日から24日まで米ニューヨークを訪問し、第81回国連総会に出席する日程となっている。
声明が求めた3点
声明はまず、今月の国連総会に合わせ「ウクライナ政府から無人機システム等の技術協力などについて首脳間での議論をするため、ゼレンスキー大統領から高市首相への会談要請があったとの報道がなされています」と書いている。会談要請の有無について党は報道を引く形で触れており、日本政府は会談の相手国を発表していない。
そのうえで党は、会談を「長期化する紛争の早期終結と永続的な平和の実現に向け、我が国の成し得る役割を確認する機会とすべきです」と位置づけた。「平和的解決に向けた国際協力を強く働きかけるとともに、ロシアの力による一方的な現状変更を認めない姿勢を明確に示す必要があります」とも記し、会談の場でロシアへの態度をはっきり示すよう求めている。
3点目が技術協力だ。人道・エネルギー・復興の各支援を続けることに加え、ドローン技術などをインフラの防護や被災状況の把握といった用途に使い、「市民の安全確保や将来の復旧・復興に資する人道的・平和的観点から活用し、我が国の防衛力強化への活用の可能性を探ることも有意義です」とした。支援を送る側に回るだけでなく、ウクライナの無人機技術を日本が取り込む余地まで書き込んでいる点が、この声明の特徴である。
衆院議長も現地でドローン技術に言及していた
無人機をめぐる評価は、1週間前に現地を訪れた国会側からも出ている。衆議院が公表した訪問概要によると、森英介衆院議長は現地時間9月15日にコレツキー首相と会談し、「戦いを続けながら、ドローンで世界に冠たる地位を占めるに至ったことなどウクライナの科学技術力を高く評価」した。森議長は同じ日にゼレンスキー大統領とも会談し、ウクライナの主権と領土一体性を支持し、力による現状変更を許さないとする決議に示された国会の意思は変わらないと伝えている(森衆院議長がウクライナを訪問)。
政府は日米以外の相手を明かしていない
木原稔官房長官は9月18日午後の記者会見で、首相の国連総会出席を発表した。二国間会談については「トランプ大統領との日米首脳会談を行う方向で最終調整中であるほか、その他各国との首脳会談を調整しています」と述べるにとどめ、ウクライナを含めて相手国名を挙げていない。一般討論演説については、今年が日本の国連加盟70周年にあたるとして「国連を中心とする多国間主義に対する日本のコミットメントを改めて世界に発信する」機会だと説明した。一般討論は各国の首脳や外相が年に一度、国際社会に向けて自国の立場を表明する場で、国連の暫定日程では9月22日から26日までと28日に開かれる。
声明を出した国民民主党の規模
国民民主党は公式サイトの国会議員一覧に、衆院28人・参院25人を掲載している(9月21日時点)。9月17日に発足した第2次高市改造内閣の閣僚名簿に同党の議員は入っておらず、政権の外から政府の外交日程に注文を付けた形だ。首相の滞在は24日までで、政府はこの日までに日米首脳会談以外の相手を公表していない。
