厚生労働省は9月25日、令和8年7月末現在の国民年金保険料の月次納付率を公表した。対象月から3年が過ぎて最終値となる令和5(2023)年7月分の保険料は、納めるべき764万月のうち653万月が納められ、納付率は85.4%だった。同じ保険料を1年前に測ったときは85.2%で、期限を過ぎてから納められた分だけ上がった。
国民年金は、自営業者やフリーランス、学生、無職の人などが自分で保険料を払う公的年金で、日本年金機構が納付書や口座振替で徴収している。保険料は令和8年度は月1万7920円で、毎年度見直される。納付率は、納めるべき月数(納付対象月数)に対して実際に納められた月数(納付月数)が占める割合で、人数の割合ではない。
3年かけて81.9%から85.4%へ
同じ令和5年7月分の保険料を追うと、1年経過した時点(令和6年7月末現在)は774万月のうち634万月で81.9%、2年経過した時点は763万月のうち650万月で85.2%、3年経過した今回が764万月のうち653万月で85.4%だった。
3年経過の数字が最終値として扱われるのは、時効の区切りが2年だからだ。保険料を徴収する権利は、納付期限(対象月の翌月末)から2年で時効によって消滅する。ただし時効の中断などで2年を過ぎてから納められる場合もあるため、厚労省は2年経過ではなく3年経過を最終的な指標としている。分母となる納付対象月数が774万月、763万月、764万月と動いているのは、集計する時点ごとに把握できている免除や猶予の状況を反映して数え直しているためだ。
途中経過にあたる直近の月も公表された。令和6年7月分の保険料は2年経過した時点で749万月のうち645万月が納められ86.1%、令和7年7月分は1年経過した時点で742万月のうち621万月で83.7%だった。1年経過時点の水準だけを並べると、令和5年7月分81.9%、令和6年7月分82.9%、令和7年7月分83.7%と3年続けて上がっている。
新潟92.6%、大阪81.0% 東京だけ前年を下回る
最終値となる3年経過納付率を都道府県別にみると、高いのは新潟92.6%、富山92.3%、島根92.0%、山形91.5%、岩手91.3%。低いのは大阪81.0%、沖縄81.9%、東京82.5%、福岡83.0%、茨城83.3%だった。納めるべき月が100か月あったとして、実際に納められたのは新潟なら約93か月、大阪なら約81か月にあたる。
46の都道府県は1年前に同じ保険料を測ったときの水準を上回ったが、東京だけは下回り、82.5%にとどまった。都市部が低く、地方が高いという構図は今回も変わっていない。
免除・猶予の595万人は「納付率」に入っていない
85.4%という数字は、保険料を納める義務がある人の85.4%が納めた、という意味ではない。分母の納付対象月数は、その年度分の保険料として納付すべき月数を指し、申請による一部免除の月は含むが、法定免除・申請全額免除・学生納付特例・納付猶予・産前産後免除の月は含まない。つまり保険料をまったく払っていなくても、免除や猶予の手続きを済ませた人は初めから計算の外に置かれている。
厚労省が7月に公表した令和7年度の加入・納付状況によると、国民年金第1号被保険者は令和7年度末で1357万人と、前年度末から11万人減った。その内訳は、納付者などが695万人、全額免除・猶予者が595万人、24か月ぶんの保険料が未納の人が67万人で、免除・猶予を受けている人が全体の4割強を占める。免除・猶予の対象は今後さらに広がり、自営業・フリーランスの国民年金保険料、10月から育児期間は免除 0歳児を育てる父母が対象 所得要件はなく最大12か月・21万5040円のとおり、10月からは0歳児を育てる父母の保険料が免除される。
年度単位でみた最終納付率は、令和7年度(令和5年度分保険料)が85.6%で、前年の令和6年度(令和4年度分保険料)の84.5%から上がった。令和5年度分の保険料は、その年度中に納められた分だけを数えた現年度納付率が77.6%で、そこから2年かけて85.6%まで上がった形だ。直近の令和7年度分保険料の現年度納付率は79.6%となっている。公的な保険料の取りはぐれは医療保険でも続いており、国民健康保険料、2024年度は1人あたり10万7856円 前年度から6.8%上昇 加入者の所得は2.1%減、滞納は185万世帯では、保険料に一部でも滞納がある世帯が185万2301世帯に上ったことが示されている。
