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地方自治体が返していく借金は179兆5246億円 令和8年版地方財政白書 赤字決算の自治体はゼロ、財政再生団体は夕張市だけ
総務省は2026年3月27日、令和8年版の地方財政白書「地方財政の状況」を公表した。2024年度(令和6年度)決算を集計したもので、全国3030団体の普通会計が将来にわたって返していく借入金の残高は179兆5246億円となり、前年度末より1.7%減った。減ってはいるものの170兆円を超える水準が続いている。一方で、年度の収支を示す実質収支は2兆7567億円の黒字で、1956年度(昭和31年度)から70年近く黒字が続いている。決算が赤字になった自治体は都道府県・市区町村ともに1つもなく、財政再生基準を超えている団体は北海道夕張市の1つだけだった。ただし歳入に対して人件費や借金返済などの固定的な支出が占める割合を示す経常収支比率は前年度の92.8%から93.0%に上がり、自由に使えるお金の乏しさは改善していない。
- 政治
人口が急減する地域の担い手を雇う「特定地域づくり事業協同組合」、全国146組合に 島根16・鹿児島12 無期雇用で農業や宿泊業へ派遣
総務省は9月1日、令和8年度の特定地域づくり事業推進交付金について、岩手県遠野市と鹿児島県徳之島町の2組合分、計363万円の交付を決定した。この交付金は「特定地域づくり事業協同組合」を支える仕組みで、組合が地域の担い手を無期雇用で採用し、組合員である地元の農家や宿、介護事業所などへ季節ごとに派遣する。総務省が公表した認定一覧によると、2026年7月1日時点の認定は146組合、149市町村に上る。都道府県別では島根が16で最も多く、鹿児島12、北海道9、福島9と続く。根拠法は2019年の「地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律」で、都道府県知事の認定を受ければ、通常は厚生労働大臣の許可が要る労働者派遣事業を、届出だけで行えるようになる。ただし派遣できるのは期間を定めずに雇った職員に限られる。交付金の限度額は派遣職員1人あたり112万5000円、組合の事務局運営費は1組合あたり167万5000円と定められている。
- 政治
信号機やカーブミラーの財源は交通反則金 9月期の交付金は180億1000万円 47都道府県すべてで前年同期を下回る
総務省は9月18日、令和8年度9月期の交通安全対策特別交付金の額を180億1000万円と決定し、各都道府県知事あてに通知した。内訳は都道府県分が103億6700万円、市町村分が76億4300万円で、現金の交付は9月29日。この交付金は交通違反者が納める反則金を原資とし、信号機やカーブミラーなど道路交通安全施設の設置・管理にしか使えない財源である。前年同期の197億5700万円より17億4700万円少なく、都道府県分と市町村分を合わせた額は47都道府県のすべてで前年同期を下回った。9月期の額は令和5年度の214億6100万円から3年続けて減り、この間の減少幅は34億5100万円に達する。
- 経済・ビジネス
信書便の民間参入が647者で過去最多 ただし「郵便の代わり」は20年余ゼロ 伸びたのは大型のみで3時間便は8.0%減
総務省は9月18日、令和7年度(2025年度)の特定信書便事業の現況を公表した。事業者数は年度末時点で647者と前年度末の623者から24者増え、引受通数の約2129万通とともに過去最高を更新した。売上高総額は約195億円で前年度から約4億円増えた。ただし内訳をみると、増えているのは「長さ・幅・厚さの合計が73センチ超、または重量4キロ超」を運ぶ1号役務だけで、3時間以内に届ける2号役務は45万通と前年度から8.0%減り、料金800円超の3号役務も454万通と1.6%減った。2003年に信書の送達が民間に開放されて20年余がたつが、全国均一料金で信書を引き受ける「一般信書便事業」への参入は今も1件もなく、民間参入は例外的な3類型にとどまっている。事業者の87.0%は株式会社で、会社形態のうち86.4%は資本金1億円未満。本業は貨物運送業が488者と大多数を占め、警備業38者、建物等維持管理業18者が続く。本社所在地別では高知県だけが参入ゼロだった。
- 政治
林前総務相が退任会見 在任11か月で26道府県を訪問 続投希望の報道と総裁選への対応は明言避ける
第2次高市改造内閣の発足に伴い総務相を退いた林芳正氏が9月17日、臨時閣議後の記者会見で退任のあいさつをした。林氏は昨年10月21日の着任から約11か月の在任中に26道府県を訪問したと述べ、「地域の現場を知って、様々な声を聴きながら、施策を進めていく、そのサイクルを回していくことが重要」という信念のもとで取り組んだと振り返った。在任中の実績として令和8年度予算の確保、6本の法案とNHK予算の成立を挙げ、令和8年熊本地震では緊急消防援助隊の派遣や通信環境の確保などに取り組んだと説明した。やり残した案件としては、9月15日に閣議決定された飲食料品消費税率の臨時的な引き下げなどに関する大綱をめぐる地方団体との協議と、ふるさと住民登録制度の開始準備を挙げ、新大臣に引き継ぐとした。一方、高市首相に続投を希望していたとする報道について問われると「人事に関することは、これまでも申し上げてまいりませんでした」として説明を避け、来年の自民党総裁選への立候補を問う質問にも「総務大臣として今ここに来ておりますので、差し控えたい」と答えた。後任の総務相には藤井比早之氏が就任した。
- AI
総務省の「地域共有型エッジAI」実証、ATRとNTTドコモの2件を選定 予算2億円で1件の上限は1億円
総務省は9月7日、地域社会DX推進パッケージ事業の「地域共有型エッジAI実証タイプ」について、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)とNTTドコモの2件を選定したと発表した。地域共有型エッジAIは、特定のエリアや建物をカバーするAIの処理設備を近くの複数の端末が通信で分け合う仕組みで、端末1台ごとにAIを積むより費用を抑えられ、クラウドへ送って処理するより応答が速い。ATRは施設案内のアバターを題材に、AIの処理をどこに置けば応答が速く回答の質も保てるかを3通りの構成で比べる。NTTドコモはローカル5Gやミリ波、Wi-Fiを組み合わせた実証環境を作り、ウェアラブル端末のAI処理をエッジのサーバーに肩代わりさせる。事業の予算は2億円程度で、1件あたりの上限は1億円程度。実証は今年9月ごろから2027年3月ごろまで続く。
- テクノロジー
携帯の電波免許、2027年10月に一斉更新へ 総務省が審査基準の新設案 3.5GHz帯の基地局増設は年1万3989局から3976局に鈍化
総務省の情報通信審議会・電波有効利用委員会は9月18日、2027年10月に予定される携帯電話の無線局の一斉再免許に向けた報告案をまとめ、19日から10月19日まで意見を募集すると発表した。案は、更新を申請する各社に「将来業務計画」の提出を求め、審査基準を新たに定めて内容の適正性を審査するとした。計画は原則公表し、進み具合を毎年度の電波利用状況調査で追跡したうえで、達成状況を次回の更新の免許要件に盛り込む。背景にあるのは、割り当て時に課される開設計画の認定期間が切れると基地局の増設ペースが落ちる実態で、3.5GHz帯は認定期間中の年1万3989局に対し満了後は年3976局、3.7GHz・4.5GHz帯は年1万9855局に対し年8026局、28GHz帯は年8753局に対し年1213局だった。移動通信の通信量は近年、年1.15〜1.2倍で増え続けている。申請の受け付けは2027年4月ごろに始まる見込みで、総務省は本年度内に制度を整える。
- テクノロジー
AIの計算を電気の余る地方へ 総務省の分散データセンター実証7件が始動 三鷹・札幌・広島を光で結ぶ検証も
NTTドコモビジネスなど5社と、九州電力・インターネットイニシアティブ(IIJ)など7社は9月18日、総務省の令和8年度「ワット・ビット連携関連実証」に採択された事業を8月に始めたと、それぞれ発表した。離れた場所にある複数のデータセンターを光ネットワークでつなぎ、その時々の電力の状況に応じてAIの計算処理を移す仕組みを検証する。NTTドコモビジネスらは三鷹・札幌・広島の3拠点を1秒あたり10ギガビットの回線で、三鷹・秋葉原・横浜の3拠点を10倍の100ギガビットの回線でつなぐ2通りの環境を用意した。九州電力・IIJらは佐賀県玄海町、福岡県糸島市、福岡県糟屋郡の3拠点を結び、仮想的に一つの大きなデータセンターとして動かす。総務省は5月22日に公募し、7件の提案すべてを7月15日に採択した。委託費の合計上限は2区分あわせて29億3000万円で、実証は2027年2月1日までとなっている。
- テクノロジー
2040年に必要な電波は73.1GHz幅、確保済みは26.5GHz幅 総務省が周波数再編の計画案 6G候補帯の共用検討は2027年度から
総務省は9月18日、電波をどの用途に振り分け直すかを毎年見直す「周波数再編アクションプラン」の令和8年度版の案を公表し、19日から10月23日まで意見を募集すると発表した。案は、2040年末に必要になる電波の幅を携帯電話網・衛星など非地上系ネットワーク・Wi-Fiの合計で73.1GHz幅と見込み、2023年末時点で確保できているのは26.5GHz幅にとどまるとして、あと約47GHz幅を積み増す必要があるとした。昨年度にあたる令和7年度に確保できたのは3.265GHz幅で、そのうち3.25GHz幅はKa帯の非静止衛星システム1件によるもの。6Gの候補となる4400〜4800MHz、7125〜8400MHz、14.8〜15.35GHzの3つの帯域については、既存の無線と電波を分け合えるかの技術的検討を令和9年度から始めると明記した。26GHz帯は今年6月に国内初のオークションを実施し、7月に5Gへ割り当てが済んでいる。
- 政治
家族だけの会社で働く人は育休でも社会保険料が免除されず 総務省が厚労省にあっせん 年金機構は該当するかを確認していなかった
総務省行政評価局は9月17日、健康保険と厚生年金保険の育児休業による保険料免除について、厚生労働省にあっせんを行った。同居の親族だけを雇う事業に雇われている人は労働基準法の「労働者」にあたらず、育児・介護休業法が適用されないため、育児で休んでも保険料が免除されない。ところが日本年金機構は申出の審査でこれに当たるかを確認しておらず、いったん免除を認めた後に誤りだったとして遡って納付を求められた相談が寄せられていた。総務省は免除の対象に加えることの検討と、申出書の様式見直しなど誤った申出を防ぐ措置を求めた。厚労省は令和9年3月17日までに措置結果を回答する。