茨城県北茨城市の市長選挙が9月27日に投開票され、無所属新人の今井路江(いまい・みちえ)氏(60)が8242票を得て初当選した。北茨城市選挙管理委員会の発表によると、次点は無所属新人の豊田茂(とよだ・しげる)氏(55)の6738票で、票差は1504票だった。開票は市民体育館で午後8時から行われ、開票率100%で結果が確定したのは午後9時34分。国民民主党は今井氏を推薦しており、同党は28日、公式サイトで当選を公表した。

4人が無所属で立候補、有効票は1万9327票

立候補したのは4人で、いずれも党派は無所属だった。届け出順に、会社代表取締役の松本健一郎氏(71)が3896票、無職の今井氏が8242票、自動車学校監査役の豊田茂氏(55)が6738票、無職の今留尚人(いまどめ・なおと)氏(61)が451票。合計は1万9327票で、このほかに無効票が135票あった。

今井氏の8242票は有効票全体の42.6%にあたる。上位2人で全体の77.5%を占め、残る2人は22.5%にとどまった。

投票した人の57.6%は期日前投票だった

選挙管理委員会がまとめた投票状況の確定値によると、選挙当日の有権者数は3万3618人(男1万6776人、女1万6842人)。このうち投票したのは1万9462人で、投票率は57.89%だった。茨城県選挙管理委員会の県内選挙執行一覧によれば、前回2023年5月21日の市長選の投票率は48.43%だった。今回はこれが57.89%に上がった。

内訳をみると、投票日当日に投票所へ足を運んだのは8061人。これに対し、期日前投票は1万1220人、不在者投票は181人だった。投票した人の57.6%が投票日より前に投じていた計算になり、期日前投票が当日投票を3159人上回った。市は9月21日から26日まで、市役所1階ロビー、ヨークベニマル中郷店駐車場内の仮設投票所、北部市民サービスセンターの3か所に期日前投票所を設けていた。

期日前投票が当日を上回る現象は各地でみられる。沖縄県知事選の期日前投票は34万7170人 投じられた票の48.4%を占める 離島の渡名喜村は67.05% 投票率は57.92%から61.57%へでは、県全体で投じられた票の半分近くを期日前が占めていた。北茨城市の57.6%は、これをさらに上回る。

市は投票日当日、市内31か所に投票所を開いた。うち3か所は「共通投票所」で、市の選挙人名簿に登録されていれば住所に関係なく投票できる。今回は八反投票区と関本上投票区が統合されて「八反・関本上投票区」になるなど、投票区の再編も行われた。

市長の逝去に伴う「50日以内」の選挙

この選挙は任期満了によるものではない。市の発表によると、7期目の豊田稔市長が8月14日に82歳で亡くなり、市長が欠けたことに伴って行われた。市は逝去の当日、地方自治法152条1項に基づき、次期市長が就任するまでの間は鵜沼聰副市長が職務代理者として職務を代行すると公表していた。

公職選挙法は、市町村長が欠けた場合の選挙を34条1項で「これを行うべき事由が生じた日から50日以内に行う」と定めている。8月14日から50日後は10月3日にあたり、9月27日の投開票はこの期限内に収まる。告示は9月20日で、逝去から44日後の投票日だった。茨城県選挙管理委員会の一覧も、この選挙の事由を「死亡による欠員」と記録している。

任期満了による選挙なら、候補者は数か月前から準備できる。一方、長が欠けたことによる選挙は短期決戦になり、立候補予定者説明会から投票日までの期間も限られる。北茨城市が立候補予定者・出納責任者説明会を開いたのは9月1日で、出席者は5人。実際に届け出たのは4人だった。

投票率が前回を上回った背景には、現職不在で新人4人が争う構図になったことがある。前回2023年5月の選挙は、7選を目指す現職がいる中で投票率が48.43%にとどまっていた。現職が出馬する市長選では投票率が下がりやすく、塩尻市長選、現職の百瀬敬氏が再選 1万5321票を得て8815票差 投票率は前回の50.56%から40.72%に下がるのように、再選の構図で10%近く下がった例もある。