総務省は9月25日、2026年10月1日から2027年9月30日までの1年間にふるさと納税の対象となる自治体として、1781団体を指定したと発表した。指定を申し出た団体はすべて指定され、今回の発表にあわせた指定の取消はなかった。
申し出た1781団体がそのまま指定された
地方税法37条の2第2項などに基づく指定で、内訳は道府県が46、市区町村が1735。全国の1788団体(47都道府県と1741市区町村)のうち、申出書を出したのは1781団体で、その全部が基準に適合すると認められた。
申出書を出さなかったのは、東京都と長野県須坂市、岡山県総社市、岡山県吉備中央町、佐賀県みやき町、長崎県雲仙市、熊本県山都町の7団体である。前年の発表(2025年9月26日)で申出書を出さなかったのは東京都、須坂市、吉備中央町の3団体だったので、4団体増えた。
指定された団体の数そのものは1781で前年と変わらない。ただし中身は違う。前年は1785団体が申し出たうち4団体が同じ日に取り消され、差し引き1781になった。今年は1781団体が申し出て1781団体が指定された、という形である。
除外された6市町は「2年間は指定を受けられない」期間中
今回申し出なかった6市町は、いずれも2025年に指定を取り消された自治体だ。
須坂市と吉備中央町は2025年6月13日に取消が発表され、告示は同月17日に施行された。総社市、みやき町、雲仙市、山都町の4団体は2025年9月26日に取消が発表され、告示は同月30日に施行されている。地方税法の規定により、取消の日から2年間は指定を受けることができない。今回申出書を出せなかったのは、この期間が続いているためである。
当時の村上誠一郎総務相は9月26日の記者会見で「指定取消しが相次いでいることは、ふるさと納税制度に対して信頼を損ないかねないものでありまして、大変遺憾であります」と述べ、全自治体に基準の遵守を求める通知を出したと説明した。4団体のうち3市町は、寄附を集めるのにかかった費用の総額が寄附額の5割を超えたことが理由で、この基準の違反による取消は当時が初めてだった。
基準は「返礼品3割・募集費用5割」
ふるさと納税の指定制度は2019年6月1日に始まった。それ以前は返礼品の競争に歯止めがなく、総務省が法律で対象自治体を絞り込む仕組みに切り替えた経緯がある。
総務大臣が指定するための基準は、寄附金の募集を適正に実施していること、返礼品を送る場合は調達費を寄附額の3割以下に抑えること、返礼品を地場産品とすることの3つ。これに加えて、返礼品代や送料、広告費、仲介サイトへの手数料まで含めた募集費用の総額を寄附額の5割以下とする基準が2019年度から設けられている。指定を外れると、その自治体への寄附は住民税の特例控除の対象外になり、寄附者にとっての実質2000円負担という仕組みが使えなくなる。
募集費用のうち仲介サイトへの手数料は近年の焦点になっており、総務省は今月、ふるさと納税サイトの手数料引下げ要請、20社の回答を総務省が公表 全面引下げは示さず、「自治体が自ら集めた寄附は3%」が主流にを公表したばかりだ。
東京都は制度創設から一度も参加していない
7団体のうち都道府県は東京都だけで、しかも取消を受けたわけではない。制度が始まった2019年5月14日の最初の指定の時点で東京都は対象外の5団体に名を連ねており、以後一度も申し出ていない。
東京都主税局は、ふるさと納税は「制度創設当初の『ふるさとやお世話になった自治体を応援する』という理念から大きくかけ離れ、『官製通販』のようになっている」として、「廃止を含めた制度の抜本的な見直しを行うよう、国に求めています」と説明している。同局によると、ふるさと納税による2025年度の減収額は都民税862億円と区市町村民税1299億円の計2161億円で、これまでの累計は1兆1593億円にのぼる。自治体の財政全体の姿は地方自治体が返していく借金は179兆5246億円 令和8年版地方財政白書 赤字決算の自治体はゼロ、財政再生団体は夕張市だけでも扱っている。
指定の有効期間は1年で、自治体は毎年申し出て審査を受け直す。今回指定された1781団体は、2027年10月以降も対象であり続けるために、来年また同じ手続きを踏むことになる。
